産業廃棄物地方自治体の運用
①現状と課題
住民同意については、施設設置手続きの長期化につながり、適正処理体制の基盤となる施設の確保が困難になるなどの問題があります。また、流入規制については、産業廃棄物が広域的に移動すること、優良な産業廃棄物処理業者が市場において優位に立てることを目的とする産業廃棄物の構造改革にブレーキをかけかねないこと等といった問題があります。
②見直しの方向性
ア 住民同意・流入規制
国は、それぞれの地方自治体独自の住民同意や流入規制の対策についてその内容及び運用を継続的に把握し、地方自治体と対話し撤廃または緩和を働きかけていくことが必要と考えられます。また、施設の維持管理情報等を透明化する仕組みを設けることになどにより、廃棄物処理に関するリスクコミュニケーションを図っていくことが重要だと考えられます。
イ 許可手続きに関する書類
産業廃棄物処理業許可等の申請手続きに係る書類について、申請時に一律に求めるべき書類と、申請内容に応じ審査時に個別に求めるべき書類、許可審査には不要な書類とを区別し、必要最低限としたうえで統一がのぞまれます。また、複数許可を取得している場合の変更届や許可更新手続きの運用、再委託の運用についても合理化していくことが適当です。マニフェスト交付等状況報告書についても同様に、統一化・合理化がのぞまれます。各地方自治体においては、電子申請手続きの導入を積極的に推進していくべきと考えられます。