産業廃棄物低炭素社会との統合
①課題と現状
持続可能な社会を構築するうえで、廃棄物処理においても地球温暖化対策を講じることにより、循環型社会と低炭素社会の統合に向けた取り組みが求められています。しかし、2007年度に廃棄物分野から排出された温室効果ガスは、基準年(1990年)比で15%増加している現状にあり、京都議定書m目標達成計画に位置付けられた、廃棄物分野における目標達成が求められています。
②見直しの方向性
地球温暖化対策に資する財政支援メニューの拡充など、廃棄物バイオマスの利活用、原燃料利用や収集運搬の効率化等、廃棄物処理システムにおける地球温暖化対策の取り組みを促進するための、具体的な手段を検討する必要があります。特に3Rの推進による循環型社会の構築を図りつつ、廃棄物の焼却処分における熱回収を徹底することは、温室効果ガスを削減し低炭素社会の形成にも資するものであり、強く推進する必要があります。市場拡大や地域でのエネルギー利用を支援する措置や導入支援措置を推進していくべきと考えられます。
このような国の施策や社会のニーズに応えるためにも、排出業者、処理業者は経営陣等一部の幹部のみならず、実際に産業廃棄物を取り扱う現場の従業員ひとり一人も、廃棄物に関する正しい知識の習得に努め、極端な儲け主義に走ることのない体制を構築していく必要があります。また、各自治体が行っている産業廃棄物税をはじめとする搬入抑制施設や施設設置もの際の住民説明等についても、受入地域の実情も考慮のうえ、社会に自社の事業展開を理解してもらえる機会と積極的にとらえ、地域とコンセンサス(合意)を図っていく必要があります。