産業廃棄物処理の委託 マニフェスト等
処理の委託について
委託者への処理困難通知制度
平成22年の法改正により、(特別管理)産業廃棄物処理業者は処理施設の故障、事故、事業の廃止、行政処分などの事由が生じ、受託した(特別管理)産業廃棄物の処理を適正に行うことが困難となった場合には、10日以内にその旨を委託者に通知し、通知した書面の写しを5年間保存することが義務化されました(法第14条第13項、同条第14項、第14条の4第13項、同条第14項)。なお、通知を受けた委託者は、処理状況を把握し、適切な措置を講じなければなりません(法第12条の3第8項)。
受託の禁止
(特別管理)産業廃棄物収集・運搬業者、(特別管理)産業廃棄物処分業者、その他環境省令で定める者以外の者は、(特別管理)産業廃棄物の処理をそれぞれ受託してはなりません(法第14条第15項、第14条の4第15項)。これは、排出事業者が無許可業者に(特別管理)産業廃棄物の処理を委託した場合は委託基準違反で罰せられるのに対し、受託した無許可業者が処理の実行行為を行わずに、さらに第三者に処理を再委託した場合には、この第三者が処理基準に適合しない処理を行っても無許可業者を罰する仕組みがないことから設けられた規定です。この規定により、無許可業者が(特別管理)産業廃棄物の処理を受託した場合は重い罰則が科されることになりました。
マニフェスト
事業者は、(特別管理)産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、法令で認められた一部の例外を除き、必要事項を記載したマニフェストを交付しなければなりません。また、マニフェストは、廃棄物の種類ごと、運搬先ごとに交付しなければなりません。このマニフェスト制度とは、排出事業者が(特別管理)産業廃棄物の処理の各行程ごとに終了の報告を受けていくことで、委託した(特別管理)産業廃棄物が適正に処理されたことを確認する制度であり、法は排出事業者は最終処分の終了を確認するまで、自らが排出した(特別管理)産業廃棄物についてその処理責任を負うことを規定しています。
平成17年の法改正において、マニフェスト制度が次のとおり強化されました。
①(特別管理)産業廃棄物処理業者がマニフェストの保存義務(5年間)に違反した場合を罰則の対象としました。
②(特別管理)産業廃棄物の処理が終了していないにもかかわらず、マニフェストの写しを送付した場合、虚偽のマニフェスト交付等の禁止違反として罰則の対象とするとともに、マニフェストにかかる義務違反の罰則を「50万円以下の罰金」から「6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に引き上げました。
③マニフェスト制度に違反し、都道府県知事等の勧告に従わない者についてはその旨を公表された後において、なお、正当な理由がなく勧告に対する措置をとらなかったときは、勧告にかかる措置命令の対象としました。
また、平成18年の施行規則改正では、次の事項が規定されました。
①石綿含有物が含まれていることをマニフェストに記載すること。
②平成12年の施行規則改正により、当面の間、産業廃棄物管理票交付状況報告書の提出を要しないとされていましたが、平成20年度から都道府県知事等に提出することを義務付けました(たとえば平成24年度の実績を平成25年度に報告)。
ただし、電子マニフェスト登録分については、情報処理センターから都道府県知事等に報告するため、報告書の提出は不要です。
平成22年の法改正において、次の事項が追加されました。
①マニフェストを交付した者は、当該マニフェストの写し(A5票)を5年間保存しなければならない。
②(特別管理)産業廃棄物処理業者はマニフェストの交付を受けずに(特別管理)産業廃棄物の引き渡しを受けてはなりません。